政権交代してからというもの、毎日なにがしか民主党の打ち出す政策や大臣の発言が話題になっている。
 民主党は成果を急ぎすぎているようにも思う。
 張り切っているのはわかるが、少々先走りすぎの面もある。

 いままでとは政権が変わったのだから、従来の慣習のようになっていた方針や施策で、180度変わる部分があるのは当然。
 直近の話題では、羽田空港のハブ化のこと。
 千葉県と成田空港関係の人たちが怒っていたが、直接的に関係のない人たちは、総じて歓迎している。
 千葉県知事は「国益をそこなう」といっていたが、国益ではなく千葉県の県益だろう。千葉県が反対で、そのほかの都道府県が賛成なら、多数決では羽田のハブ化は「国益」にかなう。使い勝手の悪い成田だけに国際線を入れることの方が、国益を損なうことになる。
 「民意」とか「国益」には、100%の国民に賛意や利益があるわけではない。反対する人、不利益を被る人は、なにをするにも存在する。
 全員一致でなければいけないとしたら、なにもできなくなってしまう。最終的には、多数決しかない。それが民主主義だろう。
 八ッ場ダムにしろ、羽田のハブ化にしろ、それが国益になるかどうかは、国民投票でもして多数決を取ればいい。それが民意であり国益ではないか?
 今朝のニュースでは、千葉県知事と国交省大臣が、笑顔で会談していたようだが。

 新たな政策を実行するために、予算を精査して削って……ということをやっているが、なかなか台所事情は厳しいようだ。
 努力はしているのだろうが、もっと根本的なところで削れるようには思うけどね。たとえば、公務員の削減とか給与の引き下げとか。民間企業では、当たり前にやっていること。人件費はかなり大きく、年間60兆円だとか。一人当たり平均1000万円くらいらしい。このへんは、これから手をつけるのだろうけど、相当な反発が予想される。

 とにかく国として大赤字を抱えているし、政策を実行するにもお金がない。埋蔵金とやらはどこにいった?……という感じだが、そんな経済政策に大胆な提案をしているのが、以下の大前研一氏の記事。
 とても長いのだが、これはなかなかスゴイ内容である。

爆発的に経済成長する法(1)/大前研一(ビジネス・ブレークスルー代表取締役)(Voice) – Yahoo!ニュース

 マクロ経済政策が効かない第1の理由。それは経済に国境がなくなったこと、つまり世界が「ボーダレス化」したからである。
(中略)
 マクロ経済政策が効かない第2の理由。それはサイバー経済の影響である。
(中略)
サイバー経済の発達によって、ジャスト・イン・タイム方式が当たり前になったのだ。
(中略)
 私はよく「サイバー経済の影響とは何ですか」と尋ねられる。しかしいま世の中で起きている現象を見詰めれば、それが実体経済にいかに大きな力を及ぼしているか、理解ができるのではないだろうか。

 そしてその多くが国境を跨ぐサービスで、クレジットカードやペイパルによる支払いである。マクロ経済の重視する通関統計やマネーサプライとは関係ない世界が広がっていることに、景気刺激策を競う政治家、学者、役人たちは気付くべきなのである。

 さわりの部分を引用したが、大前氏の提案する方法が、ほんとうに成功するのかどうか、なんとも判断がつかない。
 まるで、打ち出の小槌のような話なのだ。
 これがうまくいくのなら、万々歳だ。

 理論と実践はなかなか一致しない。
 仮に、大前氏の方法を実行に移すとなると、障害や抵抗はかなりあるだろうことは予測がつく。既得権益を守ろうとする人たちは、いつの時代も一筋縄ではいかないからだ。
 実行するには大胆さが必要だろう。その大胆さは、不利益を被る人には「乱暴」な方法になってしまう。すべての人が恩恵を受けるわけではないだろうから、切り捨てられる人もいるだろう。なにごとにも犠牲はつきものだ。
 とかくマスコミは、マイナス面ばかりを強調するから、少数派であってもそれが総意であるかのように歪めてしてしまう。
 大前案で弱者が切り捨てられた……と、それが人口の0.1%であっても……報道されると、最悪の政策ということになってしまう。99.9%の人には恩恵があったとしても、0.1%を問題にする。
 木を見て森を見ず……、日本のマスコミや政治に一番欠けているのは、そこの部分なのかもしれない。

LINEで送る
Pocket
LinkedIn にシェア