5日のサッカー日本代表 vs オランダ。
 久々の代表戦だったこともあり、楽しみにしていた。
 勝てるとは思わなかったが、せめて1点でも取れれば……、というのが戦前の期待だった。
 だが、結果は完敗。
 なるべくしてなった結果でもあった。

 試合を見ていて思ったこと。
 まるで大人と子どもが試合をしているような錯覚を覚えた。
 大人はオランダであり、日本は子どもだ。
 体格の違いで、小柄選手が多い日本チームは、プレスに行くときにちょこまかと動き回る子どもに見えた。
 いや、それは体格の違いだけだろうか?
 執拗なプレスでオランダに仕事をさせなかったということでは、ある程度の効果はあったようだ。しかし、その対応には余裕がなく、駄々をこねる子どもが大人に張りついているようにも見えたのだ。オランダ選手の苛立ちは、そのうるさい子どもに手こずっているからのようにも思えた。

 力量で劣る日本としては、最善の策かもしれないが、自信というかプライドというのは感じられなかった。がむしゃらに頑張ることは、日本的には褒められるが、スマートではない。
 事前の報道では、
岡ちゃん“侍魂”で勝つ!失点覚悟で攻撃だ(デイリースポーツ) – Yahoo!ニュース

オランダ入り後の初練習で、岡田武史監督(53)は就任後、最強の相手となるオランダ戦へ「肉を切らせて骨を断つ」と覚悟を表明。

岡田監督、“特攻精神”でオランダ倒す!(サンケイスポーツ) – Yahoo!ニュース

 日本代表・岡田監督は“特攻精神”でのオランダ戦勝利を誓った。

 ……などといわれていた。
 “特攻精神”というのは記者の解釈で、監督が口にしたわけではないだろうが、自滅覚悟の挑戦……ということには違いないのだろう。
 「当たって砕けろ」とはいうものの、本当に砕けたら意味がない。チキンレースをするにしても、壁に激突したら負けなのだ。
 前半は善戦していたが、オランダにしてみれば90分を見据えて余力を残した戦い方だったのだろう。
 日本は余裕がなかった。前半から全力を出し切らないと対処できなかったわけだ。

 そんな戦い方を危惧する記事が以下。

スポーツナビ | サッカー|日本代表|第3回「カミカゼ・サッカー」への不安(9月5日@エンスヘーデ)(2/2)

 ここで私は図らずも、オシム前監督のこの言葉を思い出す。
「選手は機械ではない。人間なのですよ」
 会見で発せられた言葉を、ことさらあげつらうことは、もともと本意ではない。それでも私には、この岡田監督の発言が「90分間、プレスをかけ続けられるマシンになれ」と選手に要求しているように聞こえて仕方がないのである。
 もちろん日本の現有戦力と、W杯本大会までに残された時間を逆算するならば、そのような答えが導き出されるのも、ある意味仕方のないことなのかもしれない。しかしながら、日本サッカーの進む道は、果たして選手が「マシンになること」なのだろうか。

 まったく同感。
 前半のようなペースで90分走り続けることは、はっきりいって不可能。前半で2~3点入れて、後半は守りに徹して逃げ切る……とかできればまだいいが、決定機に点を入れられないから、後半も走り続けなければならない。
 仮に体力アップして、90分走り続けることができたとしても、1試合で体力は消耗してしまう。W杯本戦では、中4~5日で連戦だから、2試合目はもう走れないだろう。お家芸(?)の「ちょこまかプレス」ができなくなったら、もう優位な戦い方はできなくなる。
 今の戦い方では、勝てないことが見えてしまう。

 また、今回は森本を招集できなかったが、本田も効果的には使えなかった。前にも書いたが、岡田監督は「尖った選手」をうまく機能させられないのだと思う。チームワークは必要だが、監督の意のままに動く駒としてのチームワークでは、選手の能力は埋没する。
 中村俊輔ですら、代表チームに来ると、本来の持ち味が薄れてしまう。海外で活躍する選手は、それなりに尖っているからこそ活躍できるわけで、その能力をどう引き出すかが監督次第なのだが……。
 「個の力がない」といわれる日本選手だが、あるべき個の力を活かせないのは監督のせいでもある。

 「欠点を克服する」というのは日本的な思考だが、「長所(武器)を活かす」方向で行くべきではないか?
 あと9カ月で劇的に体力がついたり、欠点が克服できるとは思えない。
 使える武器を磨く方が、まだ可能性はあると思うのだが……。

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