女性は昔を忘れない…わけでもない

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女性は昔を忘れない…わけでもない

元画像はパブリックドメインQ

 女性は昔を忘れない……という記事があった。
 この場合のシチュエーションは、対象となる女性に、夫あるいは恋人としてパートナーがいることが前提。
 それで男が忘れているようなことでも、女性は細かいことまでしっかり覚えている、という話だが……。
 まぁ、それも個人差が大きいと思うけどね。
 とりあえず、その記事は以下。

女はなぜ昔を忘れないか(AERA) – Yahoo!ニュース

 妻は断言する。
「女は、どうでもいいようなことを覚えているの」
 記憶は、情動(怒り、悲しみ、喜びなど)と関連を持つ場合に強固に保持されるという。
「恋人・夫婦仲相談所」所長、二松まゆみさんは、こう話す。
「美しい思い出も不都合な思い出も、女性はそれこそ昨日のことのように覚えています」

 どうでもいいことを覚えているというのには賛同するが、その出来事の前後は忘れていることも少なくない。
 つまり、ピンポイントでしか覚えていないんだ。
 だいたい、彼女にとって不利益なこと、不快だったことをよく覚えているが、その出来事に至る経緯がどうだったのかは忘れている。
 逆に、彼女にとって都合の悪いことは、見事に忘れる(^_^;
「あのとき、あたなが●●したのよ!」と、過去の話を持ち出したとき、
「それをいうなら、■■のときにおまえは▲▲したじゃないか」と、私が別の一件を持ち出す。
 すると、
「▲▲のことなんて覚えてない」となる。
 どっちもどっちなのだが、自分に都合の悪いことは、さっさと忘れるものである。

 また、昔を覚えているということでは、同じ話を何度もする(^_^)
「その話は、前にも聞いたよ」
「え? そうだっけ?」
 あっけらかんとしたものだ。印象に強く残っている記憶は、期間をおいて何度も話すことになり、何度も聞かされることになる。
 どうでもいいことはよく覚えているのだが、日常的なことはよく忘れる。なにかを頼んでも、右から左に抜けてしまって、忘れてしまう。つまり、彼女にとって重要ではないとラベルを貼られてしまうと、脱落してしまうのだ。
「●●はどうした?」
「なんのこと?」
「昨日言っただろう、●●のことだよ」
「あ、忘れてた」
 大事なこと、急を要することは、頼んではいけない。

 パソコンのアプリケーションの使い方を教えることがよくあるが、一度の説明では覚えられない。
 ことあるごとに、
「これ、どうするんだっけ?」
 と、同じ質問をくり返し、何度も説明することになる。
 もっとも、私も自分の関心が低いことは、すぐに忘れるから人のことはいえないが(^_^;

 かなり昔のことを、昨日のことのように覚えている……というのは、私にもある。
 失敗したこと、悔しかったこと、悲しかったこと、怒りなどのネガティブな記憶は強烈で、あるとき、ふとしたきっかけで記憶がよみがえって、フラッシュバックしてしまう。
 わき上がってくる感情を抑えることができず、カァァ――!と頭に血が上ったりする。
 普段は忘れているのに、突然、思い出してしまうのだ。
 そんなとき、記憶を奥に封じ込めるのに苦労する。封じ込めないと、感情の高ぶりを抑えられなくなる。
 逆に、楽しかった記憶というのは、あまり強い記憶ではないんだよね。そんなこともあったなーという程度で、漠然としている。楽しい記憶というのは、ストレスがかからない分、記憶への定着度が低いのだろう。

 記憶は人格を形成する基礎みたいなものだ。
 子どもから大人に成長して、「自分」という存在を保持する要素でもある。
 男女で記憶に性差があるとはいえるかもしれないが、それが肉体的な違いに起因するのか、社会的な立場の違いに起因するのかは、判断が難しいように思う。それを確認するためには、被験者を社会から切り離し、男と女の違いを区別せずに観察・検証しなくてはいけない。
 それは不可能なことだ。
 だから、男女で記憶の仕方に性差があるとは、断定できないことになる。

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