【サッカー】相変わらず論評のレベルが低いセルジオ氏

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【サッカー】武田氏に苦言、日本サッカーってなんだ?……の続き。

東アジアカップ、韓国戦。引き分け。
予想通りというか、負けなかっただけマシの試合だった。
この結果を受けて、監督バッシングが吹き荒れているのだが……

東アジア杯未勝利…セルジオ越後氏「ハリルの魔法は終わった」 | サッカーキング

「ハリルの魔法は終わったということだよね。選手選考も疑問だよ。空中戦で戦う候補になる選手が川又しかいないんだから。ハリル劇場とか言われているけど、パフォーマンスだけじゃ勝てない。マスコミも持ち上げすぎだよ。しっかりと見極めをしないと。1分2敗で終えたら『更迭』の話が出てもおかしくない。前回王者なんだから、優勝できなければ結果としては失敗だよ。でもマスコミはそんな話をしないんじゃない? 劇場型な人がいてくれた方がおいしいんでしょ」

「霜田技術委員長がなんでベンチいたの? しかも指示まで出していた。協会も心配しているということ? 僕が監督なら考えられないよ」

まぁ、いつものセルジオ節だけど、この人もぜんぜん進歩してないというか、相変わらず論評のレベルが低い。

この程度の論評というか、愚痴は、サポーターでもいえるレベルで、的確な分析や建設的な提言はなにもない。前から何度も書いていることだが、サッカー評論家のレベルが低すぎる。感情論、根性論、漠然とした批判しかしていないから、ただのバッシングになってしまう。そんなんじゃ、日本のサッカーのレベルは上がらないよ。選手はもとより、評論家のレベルを上げないと、「勝てないから監督交代」という話にすり替わってしまう。

監督を代えて、強いチームになるのなら、どんどん代えればいい。それが強くなる方法というのならば、負けたら即監督交代というルールでも作っておけばよい。そうなると1年で何人もの監督が必要になるが、日本人も含めて、監督ができるライセンスを持っている人はたくさんいるのだから、人材は不足しない。
だが、そんなことをして強くなったチームは、世界のどこにもない。監督をコロコロ代えることほど、愚かなことはないからだ。

事実関係を確認しておきたいが、「ハリル劇場」という呼び方は、一部のスポーツ紙で使われただけで、誰もがいっていたことではない。
過去のニュースをググってみると、初出は2015年3月24日のサンスポのようだ。

62歳・ハリル監督、先頭走った! 注目の合宿初日は24分 (1/3ページ) – サッカー – SANSPO.COM(サンスポ)

 ハリル劇場の開幕だ! バヒド・ハリルホジッチ新監督(62)が就任したサッカー日本代表が23日、初陣となる27日のキリンチャレンジ杯・チュニジア戦(大分銀行ドーム)に向けて始動した。

次に出てくるのが、2015年4月3日のサッカーキング。

短期間で変化もたらしたハリルホジッチ…日本代表、期待膨らむ新たな船出 | サッカーキング

ハリルホジッチ監督は、「劇場型」の指揮官なのかもしれない。

ただし「劇場型」と書いているだけで、ハリル劇場という表現ではない。
その次が、2015年8月5日のサッカーダイジェストのセルジオ氏自身の記事だ。

【セルジオ越後の天国と地獄】チャレンジする集団になっていない。「ハリル劇場」が危うくなってきた | サッカーダイジェストWeb

ちょっとハリル劇場が危なくなってきたんじゃないかな。

ようするに、元ネタはサンスポだが、リピートして使ったのはセルジオ氏だということ。これじゃ、自作自演だろう。多くの人は、ハリル劇場なんていってないのだよ。

そもそも「魔法」などというのはナンセンス。
サッカーに魔法などありはしない。そんなくだらないことをいっていることが自体、レベルが低い。

野球では名采配を「マジック」といったりするが、それは「魔法」のマジックではなく、タネのある手品のマジックの意味合いだ。タネがあるということは、仕掛けと計算とテクニックがあり、論理的に見ている人を驚かせるからマジックなのだ。

サッカーでは、監督にできることは限られる。選手交代は3人までだし、試合を止めるタイムを取れるわけでもなく、指示を出すにもベンチから大声でいうしかない。野球のように、選手交代は何人でも可能だったり、タイムを取ることもできると、監督の采配がものをいう。
劣勢になったとき、問題を解決するには、ピッチ上の選手達に大きく依存する。ここで勝負に出ようと、代打を送り出すわけにはいかないのだ。

サッカーの監督の仕事は、試合の前にチーム作りをすることにある。
監督の目指す戦術を浸透させ、チームとしての一体感を作り上げ、状況に応じてどういう戦い方をするか、選手が実行できるように準備しておく。
そのための時間が十分にあったかというと、なかったというのが結果に出ている。そのことに苦言を呈したハリル監督の発言を「言い訳」とバッシングしていたが、それは違うだろうと思う。

前回大会ではザック監督で優勝しているが、それは前監督の体制を引き継いでいたために、大きな混乱はなかったからだ。ハリル監督が不利なのは、ブラジル大会での惨敗後、チームはボロボロになり、アギーレ監督のもとで再出発をしたが、途中交代により再びチームは分解。1から作り直している最中だ。
勝つ試合を見たいのは山々だが、東アジアカップに優勝することが最終目標ではない。もとより、若手発掘の場と割り切っていたではないか。その若手が台頭していないのは問題だが、使えそうな選手と使えない選手の見極めはできただろう。

ヤフコメに、なかなか的確なコメントが書かれていたので引用しよう。

勝つまで、監督を代えてたら
そのうち引き受けてくれる監督もいなくなる。
監督の人件費も、膨大なものになるだろう。
出来の悪い我が子の問題を直視せず
学校や塾や家庭教師ばかり代えていたら、
子供が天才になる訳でもない。
セルジオは、なぜ負けるかとか、負けた代表の責任追及より
どうしたら勝てるかを発言してほしいものだ。

同感だ。
いい先生に学べば、ある程度の向上は期待できるが、かといって、宇佐美がメッシやC・ロナウドみたいにはなれないし、同年代のネイマールにもなれないだろう。その素質があるのなら、とっくに世界に羽ばたいているよ。
凡庸な素質の選手ばかりで、強くなろうとしているのだから、そうそう簡単なことではない。しかし、凡庸であるがゆえに、「がんばれ!」と応援したくなるのだ。

セルジオ氏はサッカー界に長らく関わっているのだから、感情的な批判ばかりではなく、具体的にどうするべきなのかを論じることだ。
セルジオ氏は、メディアが批判しないとサッカーは成長しないというが、批判だけではだめなのだ。
印象論や精神論ではなく、具体的な改善策、建設的な強化プランを示すべきなんだ。文句をいうだけなら、誰にでもできる。

また、「僕が監督なら考えられないよ」などといっているが、セルジオ氏は代表監督ができるS級ライセンスを持ってないだろう?
できもしないことを例えに出すのは愚か。それこそ、「オレが監督なら……」という、サポーターのサッカー談義と大差ない。
辛口が売りのセルジオ氏だが、あなたもマスコミ側の一員であることを忘れてはいけない。マスコミ批判は、自身をも批判していることになる。
セルジオ氏の説得力のある論評、建設的な強化プランの提言に期待する。

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