ランドセルが「軍国主義の象徴」だと?

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 韓国でランドセルが人気だという。
 しかし、そのランドセルが軍国主義の象徴だと主張している。
 日本由来のものは、なんでもかんでも反日の材料にしたいようだ。

韓国で大人気“日本のランドセル”に現地紙が警鐘・・「軍国主義の象徴だ!」|中国情報の日本語メディア―FOCUS-ASIA.COM – 中国の経済情報を中心としたニュースサイト。分析レポートや特集、調査、インタビュー記事なども豊富に配信。

しかしこうしたランドセル人気に現地紙・朝鮮日報が最近、警鐘を鳴らした。同紙は「ランドセルは日本の初代首相、伊藤博文が当時の皇太子に、帝国陸軍の歩兵が背負っていたかばんを模した物を贈ったことに由来する」「横に付いた上履き袋などを提げる輪が、元々は手榴弾をつるすためのものだった」と説明し、「軍国主義の象徴だ」と指摘した。

 ランドセルの由来については、Wikipediaが詳しい。

ランドセル – Wikipedia

江戸時代(幕末)、幕府が洋式軍隊制度(幕府陸軍)を導入する際、将兵の携行物を収納するための装備品として、オランダからもたらされた背嚢(はいのう、バックパック)のオランダ語呼称「 ransel(オランダ語版)」(「ランセル」または「ラヌセル」)がなまって「ランドセル」になったとされ、幕末の教練書である『歩操新式』の元治元年(1864年)版(求實館蔵板)にも「粮嚢」の文字に「ラントセル」の振り仮名がされているほか、画像としては一柳斎国孝筆の双六「調練仕方出世寿語禄」(版元・大黒屋金三郎)に描かれている、韮山笠を被った兵士が背負っている鞄がそれとみられる。これは昭和前期までの通学用ランドセルに形状がよく似ており、この背嚢がルーツであることがわかる

明治時代以降、本格的な洋式軍隊として建軍された帝国陸軍においても、歩兵など徒歩本分者たる尉官准士官見習士官、および下士官以下用として革製の背嚢が採用された。

通学鞄としての利用は、官立の模範小学校として開校した学習院初等科が起源とされている。創立間もない1885年(明治18年)、学習院は「教育の場での平等」との理念から馬車・人力車による登校を禁止、学用品を入れ生徒が自分で持ち登校するための通学鞄として背嚢が導入されたが、当初はリュックサックのような形であった。1887年(明治20年)、当時皇太子であった大正天皇の学習院初等科入学の際、伊藤博文が祝い品として帝国陸軍の将校背嚢に倣った鞄を献上、それがきっかけで世間に徐々に浸透して今のような形になったとされる。贅沢な高級品であった事から戦前は都市部の富裕層の間で用いられる事が多く、地方や一般庶民の間では風呂敷や安価な布製ショルダーバッグ等が主に用いられていた。ランドセルが全国に普及したのは昭和30年代以降、高度経済成長期を迎えた頃からと言われる。

ランドセル側面にあるフックは、「軍用背嚢の名残で元は手榴弾を下げるため」という俗説がありテレビ番組でももっともらしく紹介されているが、これは昭和30年代に入り、給食袋や体育着袋など生徒の持ち物が増えた事に対応した金具である。実際の帝国陸軍において手榴弾は雑嚢(背嚢とは別のショルダーバッグ)に入れ携行され(戦闘時には軍服のポケットや腰の帯革も使用される)、そもそも活動時に重く邪魔になる背嚢は戦闘前に着脱される事が基本である。また、背嚢の周囲には毛布(下士官以下はさらに天幕・円匙等)を巻き付けるため手榴弾を下げる余裕はない。

 朝鮮日報の引用は、部分的には正しいが、軍国主義と結びつけるために都合のいい部分だけを抜き出している。
 由来をいうのであれば、オランダ起源というべきで、ランドセルという言葉自体がオランダ語を語源としている。

 ランドセルメーカーのクラレのWEBページの解説では以下のようになっている。

<クラリーノ>タウン ランドセルの歴史

ランドセルの歴史は、江戸時代にさかのぼります。幕末の日本に西洋式の軍隊制度が導入された時に、背中に背負う布製のかばん「背のう(はいのう)も同時に輸入され、軍隊で使われました。

明治時代になり、同10年10月に開校した学習院は、8年後の明治18年になって生徒の馬車や人力車での通学を禁止するとともに、軍用の背のうに学用品類をいれて通学させることになりました。この背のうがオランダ語で「ランセル」と呼ばれていたことから、「ランドセル」という言葉が生まれ、それは通学用の背負いかばんを意味するようになり、それが現在まで使われています

当時のランドセルは、今のリュックに近いものでした。現在のような箱型ランドセルの誕生は早く、学習院の「ランセル」が採用された2年後の明治20年、その当時の内閣総理大臣、伊藤博文が大正天皇の学習院入学を祝い、特別に作らせたものを献上したのがその始まりとされています。

 これによると、伊藤博文が献上する2年前から「ランセル」が採用されていたとなっている。ランセルの革製豪華版が天皇への献上品だったのだろう。

 つまるところ、オランダ発祥のバックパックを日本流にコピーしたのが始まりなので、起源に文句をいうならオランダの「ransel」にいうのが筋(^_^)。
 なにかと起源にうるさい韓国なのだから、そこはちゃんと起源を確かめてほしいね。

 軍隊(軍事技術)発祥のものがいけないというのであれば……
●第一次世界大戦中に開発されたガスマスクのフィルターが元となった→ティッシュペーパー
●アメリカが冷戦時代に国防用として開発した→インターネット
●軍服が元となった→Pコート、トレンチコート、パーカー、ブレザー、セーラー服など
●核攻撃の電磁パルスでも破壊されないような通信ケーブルとして開発された→光ファイバーケーブル(日本人工学者である西澤潤一も深く関わっていた)
 ……等々。

 その他、日本人が発明したとされるものには……
●乾電池
●ネオジウム磁石
●八木アンテナ
●カラオケ
●魚群探知機
●インスタントラーメン
●レトルトカレー
●インスタントコーヒー
●ウォシュレット
●シャープペンシル
●サッカーボール(五角形と六角形を組み合わせた多面体の白黒ボール。日本のモルテン社がアルキメデスの多面体をヒントに開発)
●電気炊飯器
 ……等々。
 反日のネタがいっぱいあるよ(^_^)

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