一流ホテルはカレイのエンガワだった

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阪急阪神ホテルズの食材偽装問題を内野席から見ると」の続き。

その後、文字通り「芋づる式」に、メニュー偽造が他のホテルにまで拡大している。
一流ホテル中の一流であるはずの、「帝国ホテル」までもが、過去に「誤表示」していたと発表した。

帝国ホテル、おまえもか!

帝国ホテルがブルータスだったのかどうかはともかく、「まさか帝国ホテルまでとは」と驚いた。
この場合、カエサル役は庶民なのか、監督官庁である国交省や消費者庁なのかもしれない。

連日、偽装ホテルの名前が次々に挙がっているが、どこまで増えるのやら。まだ、数が少ないうちは、それなりにピックアップされるが、だんだんインパクトがなくなっていく。
取り上げてもらうのなら、いまのうち(笑)。名前を売るチャンスだよ。初めて聞くホテル名もあるから、ネガティブイメージとはいえ、知ってもらえるぞ。
偽装を告白し、謝罪して許してもらえるのも今のうち。75日過ぎたら、賞味期限切れだ。
阪急阪神ホテルズが先陣を切って、茨の道を切り開いてくれたから、あとに続く偽装ホテルは痛手が少なくて済む。ある意味、阪急阪神ホテルズは人柱になったようなもの。

「オレの屍を超えていけ!」と、阪急阪神ホテルズはいった。
彼の死は、ホテル業界を青き清浄の地へと導く……かもしれない。

誤表示」という言葉は、新しい使い道ができたね。

「意図的ではなかった」から「誤表示」

なるほど、新しい解釈だ。
これはいろいろ使える。

「この商品、箱の写真と中身が違うんですけど……偽物じゃないの?」
「あ、それは誤表示です」

「スペック表に書かれている性能と、違う気がするんだが?」
「性能は確かなものですが、誤表示かもしれないです」

「それって、ぼったくりか詐欺だろ!」
「いいえ、単なる誤表示です」

クレーム処理には便利な言い訳ができる。
意図的ではなかった」から「悪意はなかった」というのも、使える。

「こら! おまえ、万引きしただろ!」
「してませんよ」
「じゃ、そのバッグに入ってるものはなんだ!」
「あれ? なんで入ってるんだろう? 意図的ではないので、悪意はありません」
「金払ってなければ、万引きなんだよ」
「意図的ではないので、万引きではありません。僕の認識不足で、どういうわけかバッグに入ってしまったのです。お店の商品と、自分の持ち物との区別がつかなかっただけです。一流ホテルの料理人ですら、エビの区別はつかないんです」

飲食業界の人には、理屈は通るよね(笑)。
名前と実際が異なることでは、寿司ネタにもある。
エンガワは、本来はヒラメのエンガワだが、代用魚としてカレイなどが使われる。

代用魚 – Wikipedia

●アカニシ – サザエの代用。
●アカマンボウ – マグロの代用。
●アブラボウズ – クエの代用。
●イタヤガイ – アオヤギの代用。
●ウシエビ(ブラックタイガー) – クルマエビの代用。
●オヒョウ – エンガワ(ヒラメ)の代用。
●カラスガレイ – エンガワの代用。
●カラフトシシャモ(カペリン) – シシャモの代用。
●ギンダラ – ムツ、タラの代用。カサゴ目であるが、ギンダラが標準和名である。
●サルボウガイ – アカガイの代用。
●ティラピア – マダイの代用。
●ナイルパーチ – スズキの代用。
●ホキ – スケトウダラの代用。白身フライなど。
●マルアナゴ(アンギーラ) – マアナゴの代用。ウナギ目アナゴ亜目ウミヘビ科に属するアナゴの近縁種である。
●マジェランアイナメ(メロ、銀ムツ) – ムツの代用。
●メルルーサ – スケトウダラの代用。白身フライなど。
●ロコガイ – アワビの代用。
●ヨーロッパウナギ – ウナギの代用。

今回の偽造問題の影響は、飲食業界全体に波及すると予想されるから、回転寿司のメニュー表示も変わるかもしれない。

「アカマンボウとカラスガレイのエンガワ、それとティラピア。あと、アンギーラをタレなしで」
寿司職人「へい、アカマンボウ、カラスガレイ、ティラピア、アンギーラたれなし。よろしく」
「メニューにある、サルボウガイはどんなの?」
寿司職人「フネガイ科の貝でして、赤貝の代用にされてます。缶詰の赤貝は、ほとんどこれですよ」
「へぇ~、そうなんだ。じゃ、それを2皿」
寿司職人「サルボウガイ、ダブルで」

う~む、どこの国の寿司屋だよって感じだね。
でも、食材について、正しい知識を得るということではいいようにも思う。

寿司にひっかけていうなら、「一流ホテルはカレイのエンガワだった」ということだね(笑)。

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