「ウルトラQ」と「サンダーバード」に見る科学観の違い


 今日、たまたまケーブルTV(BS & CS)で、「ウルトラQ」と「サンダーバード」を観た。
 どちらも古い作品だが、制作されたのはほぼ同時期だ。
 「ウルトラQ」が1966年、「サンダーバード」が1965年。
 ウルトラQはモノクロだったが、現在放送されているものは総天然色としてカラー化したもので、下手に色を付けてしまったために、逆にアラが目立ってしまっていた。
 子どもの頃、どちらも夢中になってみたものだ。

 今、あらためて見直すと、その世界観の差というか作品としてのクオリティの差はあまりに大きい。同時代に作られたとは思えないほどの「差」がある。

 ウルトラQは、子どもの頃はちょっと怖い感じでドキドキしたものだったが、それは子どもだったからだとわかる。この歳になってみると、突っ込みどころ満載で、笑ってしまう(笑)。ストーリーの元となる科学的なアイデアが陳腐で、リアリティがまったくない。加えて、撮影技術や特撮も幼稚なので、ノスタルジックな思い出に浸るにはいいが、鑑賞に堪えるクオリティにはなっていない。

 対して、サンダーバードは、懐かしさもあるが、現在観ても面白い。
 人形劇ではあっても、特撮の部分はウルトラQと同じようにミニチュアの釣り糸操作だ。手法としては大差ないのに、このレベルの違いはなんなのか?……と思ってしまう。
 制作環境の違い、制作費の違いがあることはわかるが、そもそも作品に求められているクオリティや科学観の違いがあるように思う。
 広義な意味で、どちらもSFに属するが、科学的な知識の深さ、科学的なイメージの表現力は、サンダーバードの方が数段レベルが高い。

 この違いは、最近制作されているドラマや映画でも、まだ埋まっていない。
 たとえば、犯罪捜査ドラマの「CSI:科学捜査班」などは、科学捜査で科学的な見せ場が豊富だ。このドラマは、実際に科学捜査をする人たちを養成する場で、教材にもされているという。
 日本でも、科学捜査をするドラマは作られているが、真似どころか真似にすらなっていないレベル。科学的な根拠に説得力が乏しく、その描写も陳腐だったりする。
 ウルトラQから47年経っても、サンダーバードとの差は縮まっていないどころか、さらに開いている気がする。

 日本のテレビ番組が……

死にゆく地上波テレビ番組 – 多田 純也(アゴラ) – BLOGOS(ブロゴス)

「テレビ番組」がつまらない。

それも昨日今日に始まったことでは無い。ここ数年で、地上波のテレビ番組は確実に面白さをなくしたと言える。

 ……といわれるも、無理はない。
 ウルトラQの時代から、質の高い欧米の作品とのレベルの差が埋まらないからだ。
 この差は、いつか埋められ、追い越せるようになるだろうか?
 あまり希望を持てないと感じてしまうのが、情けない話ではある。

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