宝くじがあたる本当の確率」の記事がBLOGOSに転載されて、予想外に反響があって驚いている。
あろうことか、総合ランキングで1位にまで上がるとは……。
BLOGOSと私のブログに、いろいろとコメントをいただいたが、まとめと補足説明をいくつか。

宝くじの当選確率についての記事を読んでいて、販売枚数に対する当選本数による確率では、実態には合っていないのではないか?

そんな観点から、違う見方として、購入者の中で何人が高額当選をするか?……と計算したのが、約6万9803分の1の確率という結論だった。
いろいろと異論・反論をいただいたが、これは「見かた」あるいは「考えかた」の問題だと思う。

まず、前提条件としてジャンボ宝くじが完売したとする。実際、3大ジャンボくじは、ほぼ売り切れるということだ。

また、売れ残った宝くじは回収されて抽選日前に裁断処理されて破棄される。破棄されるくじの番号はみずほ銀行側で把握され、抽選後に発表される「○等が何本」という発表に反映される。したがって、事前の当選想定数と発表後の当選数から逆算すれば、売れ残りくじに当選したくじがどのくらいあったかは計算可能だということになる。

よくいわれる宝くじの当選確率である「1000万分の1」というのは、くじの販売数のうち高額当選数がどのくらいあるかという計算からきている。ジャンボくじの場合には、1ユニット1000万枚の中に1等が1枚あるという計算だ。

■購入枚数の違いによる、確率の倍数の錯覚

くじを1枚しか買わない人と、10枚、100枚と買う人では確率が違ってくる……という意見が多かった。
たしかに、10枚買えば1000万分の10、100枚買えば1000万分の100と、10倍、100倍になる。
だが、これは数字のトリックというか錯覚だ。

1000万分の1というのは、0.0000001である。
1000万分の10 =0.000001、1000万分の100=0.00001……で、桁数こそ違うが、いかに小さい数字かということ。
これだけ小さい数字だと、実感としてイメージしにくい。
そこで物理的なスケールに置き換えてみる。

東京スカイツリーの高さは、634m。
その1000万分の1は、0.0634mm(ミリメートル)になる。砂粒よりも小さい、粉塵レベルだ。

インフルエンザ対策の、うがい、手洗い、マスクの本当の予防効果は?」で触れた、サージカルマスクで防御できる粒子サイズの4.0~5.0マイクロメートルと比べても、1桁しか違わない。
そんなサイズの微粒子の10倍、100倍といっても、肉眼では見えにくいレベル。
これは数字のスケール感をイメージしてもらうための例だ。

100枚買った方が確率が高くなる……というのは間違ってはいないが、基準となる1枚のスケールそのものが極微なので、大きな違いにはならない。
不可能な話ではあるが、1000万枚買えば、100%になる。だが、それはとてつもなく巨大な数字だということ。
くじは6億枚超が発行されているそうだが、そのくじを目に見えるように並べることができたら、スケール感を実感できるのかもしれない。

■確率の錯覚

サイコロを振って1の目が出る確率は、6分の1。
誰でもわかる、ごくごく初歩的な話だが、これは6回サイコロを振れば確実に1の目が出る……ということではない。
確率は、サイコロを何十回、何百回と振っていくと、統計的に6分の1に近づいていくというものだ。簡単に1回目で当たり目の1が出る場合もあれば、10回以上振っても出ないこともある。
6分の1の確率と聞くと、6回振れば確実に1が出てくると勘違いする。

くじには、任意に数字の組み合わせが選択可能なロトやtotoもある。
これらのくじの確率の計算は、順列組み合わせになる。

ロト6は、1から43までの43個数字の中から異なる6個の数字を選ぶが……
(43×42×41×40×39×38)÷(6×5×4×3×2×1)=6,096,454

となり、理論上の1等は、609万6454分の1の確率になる。
ただし、この確率は610万枚以上の購入があったとしても、毎回当たりが出るとは限らない。これは前述のサイコロの拡大版と考えればいい。
選択が任意であるため、通し番号の宝くじのようにどこかに当たりがあるわけではない。

■宝くじはあらかじめ当選枚数が確定している

ジャンボ宝くじは当選枚数が、あらかじめ設定されている。
つまり、誰かに当たるということが確約されている。その確率はきわめて低いが、ロトのように当選なしということはない。
10枚買っても、100枚買っても、確率的な数字は極微の差なので、買ったか買わないかの違いの方が大きい。
1000万分の1という確率よりも、何人買ったかという数字の方を見た方がいい……というのが、私の考え。

そこで、購入者の1,424万人の中から204人に当たりが出ると考えた方がいいのでは?……と思うわけだ。

当たりがよく出る売り場というのがあるが、それはたくさんの枚数が出ているからというだけでなく、たくさんの人が買っているからでもある。
ひとりでたくさん買う人もいるだろうが、大当たりが複数重なること(前後賞は1つと考える)は、確率的にも考えにくい。

とするならば、ひとりの人は、サイコロを1回振るのに相当すると考えると、何百人、何千人と買う人がいれば、それだけ多くの回数のサイコロを振るのに相当する。
たくさんの人が買うから、たくさんの枚数が売れる。人数×枚数で当たりが出やすくなる。
ひとり当たりの購入枚数は10枚が多いようで、ひとつの売り場で枚数をさばくには人数が必要なようだ。

数学的に間違っているという指摘もあったが、1等の当たる確率は1000万枚に1枚なのだから、手元にある1枚のくじの当たる確率は1000万分の1には違いない。
10枚買えば、1000万分の10。

だが、それはくじだけを視点にした確率だ。
実際には、1424万人と推定される購入者の中から、高額当選が最大204人出るということは確定している。重複当選はないと仮定すれば、1424万分の204だといえる。
言葉が足りなかったかもしれないが、購入者の中から当選者が出る確率ということ。
こっちの方が現実的だと思うのだが?

誤解のないように書いておくが、私は宝くじを勧めているわけではない(笑)。私自身、年に一度買うかどうかの頻度だ。
ただ、こういう考えかたもできるということ。

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